納税資金対策 〜節税だけでなく、財源対策のことも考える〜

◆納税資金対策

相続税というと、どれだけ相続税を安くするかという点に注目しがちですが、
相続税対策として忘れてはならないのが、財源対策(納税資金の確保)です。

財産は引き継いだけれど、納税資金がない!?

相続では、故人から大きな財産を引き継ぐことになり、それについて相続税を支払うことになりますが、
一般的に大きな財産とは、すぐに換金できない不動産であることが多く、
手元に納税資金はないけれど、相続税だけは払う必要があるということが多いのです。

節税ばかりに目がいって、相続税額は下げることはできたけれども、相続税を納付する資金がないのでは意味がありません。

では、納税資金対策って、どんな方法があるの?

資金対策といっても、様々なやり方があります。
不動産が多く相続するのであれば、事前に収益不動産としての活用(アパートや駐車場など)することで、
相続税評価額自体も下げることができ、また収益不動産から稼得できる収入を貯蓄しておき、
後の相続税の納税貯金とすることができます。

◆収益不動産の贈与して賃貸収入を納税資金に充てる

相続財産の大部分が、不動産ということはよくあることです。
いざ不動産だけを相続したはいいけれど、手元に納税資金がないと困るので、
利用していない不動産があるのであれば、賃貸物件として収益を生む財産として利用すれば、
相続財産のうちに、現金や預金の割合も増え、相続時の納税資金に充てることが出来ます。
収益不動産を、将来の相続人に贈与してから賃貸すれば、賃料は将来の相続人が得ることになりますので、
生前の財産移転と納税資金対策を同時に行うことができますので、さらに効果的です。

◆生命保険金を納税資金原資に

非課税の枠のある生命保険に加入しておくことで、死亡時に保険金が受け取れるようにし、
相続税の課税を軽減しつつ、遺族の方に生命保険金としてまとまった収入が入りますので、
納税資金の確保をすることができることになります。

なお、生命保険金の非課税限度額は以下のとおりです。
非課税限度額= 500万円×法定相続人の数

この枠をフルに活用できるように生命保険に入っておけば、相続時に有利になるケースが多いです。

◆退職金を納税資金原資に

会社を経営している方であれば、会社からの退職金を納税資金に充てるため、
会社内部の規定をきちんと整備しておくことで、会社から個人への資金の流れるルートを作ることもできます。
生命保険と同様に、退職金として遺族の方ににまとまった収入が入るため、納税資金の確保が可能になります。

なお、生命保険と同様に、退職金にも非課税の枠がありますので、非課税財産として相続人に相続させることができます。

非課税限度額= 500万円×法定相続人の数

この枠もフルに活用できるように退職金規定の整備をしておけば、相続時に有利になるケースが多いです。

物納や延納の活用

どうしても資金を確保できない場合には、物納用の不動産を用意しておくか、
なるべく相続不動産を高値で売却できるように準備をしておくか、または延納という方法で、
相続税を分割して納付する方法をとるかを考えることもできます。

◆物納の活用

昨今のように不動産相場が停滞している時期は、
相続した土地を売ろうと思っても相続税評価額より低い価格でしか売却できないことも少なくありません。
そんな時は、いっそのことその土地を物納してしまいましょう。
物納した財産は相続税評価額で収納してもらえるので、
結果的にその財産を売却するよりも高い価格で処分することができる可能性があります。
また、相続税を納めるための売却であっても、相続した土地を売却すると譲渡税がかかります。
相続不動産の場合、その不動産の取得費が分からないことも多く、その譲渡税は多額になる場合も多いですが、
物納してしまえば、譲渡税はかかりません。

◆延納の活用

延納は、相続税を期限内に金銭で一括納付できない場合に、相続税を分割して払う方法です。
延納期間は、原則5年ですが、相続財産に占める不動産の割合が大きい場合には、最高20年まで認められます。

但し、延納は以下の条件を満たした場合にのみ認められます。
・納めるべき相続税額が10万円を超える
・期限内に金銭で納めることが困難な理由がある
・担保を提供できる
・期限内までに延納申請書を提出する

延納は、利子税が加算されることになりますので、その負担を考慮し、延納期間を最大限利用せず、
資金準備ができた段階で一括で納付するという一時的な利用をすることも可能です。

◆事業承継税制の活用

中小企業を経営している方については、自社の株式も財産評価の対象になります。
自社株式は換金性がないにも関わらず、場合によっては、多額の相続税が課税されます。
後継者は、相続税の納税資金を調達を求められることになり、納税資金の調達ができないために、
事業の継続を断念する例も少なくありませんでした。
そこで、事業承継をよりスムーズにできるように、事業承継税制が導入されました。

その税制の下では、一定の要件を満たす場合には、
後継者が取得した自社株式の課税価額の80%に対応する相続税の納税が猶予されることになります。
適用できる要件は簡単ではないですが、適用できれば、大きな節税が可能となります。

>>事業承継対策のページへ

なお、これらは一例ですので、適用できる納税資金対策も、節税対策と同様、それぞれのご事情によって全く変わります。 また、節税対策と納税資金対策の両立ができて、初めて本当の意味での相続税対策になると当センターでは考えております。

相続贈与に関する無料相談を実施しております。
お電話、もしくはこちらからお気軽にお問い合わせ下さい。
☎ 03-6206-6250
受付時間 平日 9 : 00〜19 : 00

Copyright(c) 2014 あんしん相続贈与相談センター. All Rights Reserved.